2001/02/21 (水) 22:47:33        [mirai]
[ 搾取 ]



片田舎の弁護士の元に、牧夫がやってきた。

「弁護士さん、相談に乗ってください。私はこの50年間、ゴンザレスさんの牧場で働

いてきました。何頭もの牛に毎日餌をやり、大事に育てたんです。自分の手で育てた

んだから、当然牛は私のものだと思っていました。ところが先代が亡くなり、ゴンザ

レスジュニアの時代になると、牛はゴンザレス家の土地で育ったんだからゴンザレス

家のものだと言われまして。こんなことが許されるんでしょうか?」

これに対し弁護士は自信ありげに言った。

「牛のことはもう心配する必要はありませんよ!」


次の依頼人は、こぎれいな服を着た若者だった。

「弁護士さん、相談に乗ってください。僕ゴンザレスは、亡き父から大きな牧場を譲

り受けました。牧場には50年前から牛を育ててくれている牧夫がいるんですが、この

人が牛は全部自分のものだと言ってきかないんです。うちの土地でうちのエサを食べ

て大きくなった牛なのに、こんなことが許されるんでしょうか?」

これに対し弁護士は自信ありげに言った。

「牛のことはもう心配する必要はありませんよ!」


若者が帰った後、助手は心配になった。

「先生、両方にあんなこと言って大丈夫なんですか?」



「大丈夫。どっちにしても牛は私のものになるんだから」