> 2003/03/03 (月) 15:45:33 ◆ ▼ ◇ [mirai]> > 『柏木千鶴様
> > この間の話の件、実はほとんど
> > うそぴょーん
> > といったらご立腹されますか。
> > はい
> > いいえ
> >
> > どちらかに丸をつけてご返送お願い申し上げます。
> > 柏木楓 拝』
>
> ぴら。
> 裏返す。
> 周到にも、宛先は私書箱になっていた。
> 「楓……」
> 「かあええでー」
> 「ひ、ひどいよお姉ちゃんー!」
>
> 「耕一さん……」
> 「君は?」
> 「楓です、柏木、楓……ご記憶にありませんか?」
> 「君があの小さかった楓ちゃん?」
> 耕一の脳裏に幼い日の記憶がよみがえった。夏の日の思い出、まるで妹のような可愛い
> 二人の少女と、男の子っぽいわんぱくなイメージの少女。
> 「そして『耕ちゃん』って話しかけてくれた千鶴さん……俺はそんなあの人の手を払いの
> けてしまったっけ……そうだ、あのときのこと、謝らなくちゃなっておうわっ!?」
> 気が付けば下宿の玄関先まで引きずり出されていた。
>
> 「かかか楓ちゃん!? 君はなにを」
> 「愛の逃避行です」
> 「は?」
> 「説明してる時間はありません。こうしているうちにも鬼どもはここをかぎつけるでしょ
> う。追われてるんです」
> 「鬼だって? 追われてるって?」
> 「ですが、二人の気持ちがたしかならたとえ鬼の爪の錆となろうとも本望ですし、きっと
> 来世でめぐりあえます」
> 「は? いやちょっと待ってくれ」
> と、周囲の気温が三度下がった。
どこのSSよ
参考:2003/03/03(月)15時36分48秒