投稿者:  2003/03/11 (火) 13:49:37        [mirai]
「かっ、楓?」
「どうしたの、千鶴姉さん」
「こういうお店には良く来るのかしら?」
「風が吹く日にはよく…」

 楓ちゃんは、風が吹くとドレッシングが食いたいのか!?

「しっかし、ドレッシングだけ売る店ねえ」

 梓が呆れたように言う。

「でもさぁ、家にそんなドレッシングなんてあったっけ?」
「梓姉さん、ドレッシングハウスは、ドレッシングを持ち帰ることは出来ないの」

 ドレッシングハウス!?

「えっ?じゃあ、その場で食べるのか?サラダとか出るんだろ?」
「いいえ」
「な!?ドレッシングだけなの?」
「そうじゃなくて…」

 楓ちゃんが何か言おうとしたそのとき。

「みんなお待たせ~」

 バケツを二つ持って初音ちゃんが現れて。

「え~い」

 どばっ!

 俺たちの頭上へ、ドレッシングをぶちまけた。

 「ありがとうございました~!」

 ガチャッ
 カランカランカラン

 ……もう、二度と来るまい。 

「ああ、服が……」

 俺の体は全身ドロドロの液体まみれだった。

「……これで2500円もとられるなんて……暴利もいいとこだ」

 梓は怒る気力も無いようだ。

「やっ、やっぱり!やっぱりいけないアルバイトだったのね!」

 千鶴さんは、少し錯乱している。

 楓ちゃんは……。

「ふふふふ…」

 また行くつもりなのか……。