両性愛の元閣僚、政界去る

イラク問題で労働党の議員が辞意を表明した９日、１人の閣僚経験者が政界を去るこ
とを明らかにした。ただ、発端は国際情勢でもなければ国内行政でもない。屋外で男
同士の性行為に及んだというスキャンダルだった。
いろいろな意味で世間を騒がせたのは、かつてウェールズ相を務めたロン・デービス
氏（56）。地方分権を推進してウェールズの地位向上を果たした立役者だ。だが、今
年２月ごろにサマセット州バースに近い草むらで、48歳の男性と情事にふけっていた
ことをタブロイド紙にすっぱ抜かれた。
デービス氏は1996年に自分がバイセクシュアル（両性愛者）であることを告白してい
る。同年に18年連れ添った妻と離婚したものの、昨年８月に30代の女性と再婚。先月
には娘も生まれた。
デービス氏は新聞で報道されてから発言を度々変え、自ら墓穴を掘ってしまった。最
初は現場に「行っていない」としていながら、後に「近くのトイレに立ち寄った」な
どと発言。彼を擁護していた労働党もしまいには、かばわなくなった。
10日付デイリー・テレグラフは「性行為に及んだのは子供が生まれてから17日後」と
報じている。デービス氏はすでに中央政界から身を引いており、これまではウェール
ズ議会の議員だった。５月に実施される選挙には出ないと述べている。