『愚童訓』には,こうあります.新羅・百済・高句麗の支配者たちは領土拡 大の欲が強く,昔から何度も日本に来襲していたが,神の子孫たるわれわれは 未だ,敗れたことがない.云々・・・.ここでまず面白いのが,古代朝鮮諸国 の軍が日本に来襲していたと,はっきりと認めていることです.記紀では,日 本が新羅や高句麗を攻めたという話には事欠きませんが,その逆に日本が攻め られた,との記録は全くと言っていいほどありません.白村江の戦いでの敗戦 を記しているのが数少ない例です.ところが,この『愚童訓』では度重なる 「本土決戦」を記している.敗れたことはないとはいってはいますが,上陸さ れたということは日本側の劣勢を意味していると見るべきでしょう.太平洋戦 争中の日本では,古代といい近世といい朝鮮は常に日本に打ち破られていたか のように教えられていましたが,実際には互角の勢力か,あるいはむしろ日本 のほうが攻められる立場にあったのかもしれません. (;゚Д゚)!!