2003/04/21 (月) 02:06:10        [mirai]
俺はあまり勉強もできず、ようやく入った三流大学でも完璧に落ち 
こぼれてしまった。もう為す術もなく、自殺しようと連絡を絶って 
あてもなく彷徨い歩いていると、どういう訳か親父が俺の事を探し 
出して家に連れ戻した。 

お袋は家の玄関で俺を一目見るなり号泣していたが、 
親父は何も言わずに俺を連れて居間に入った。 

居間で親父が開口一番「何で自殺なんか考えたのか」と問い詰めて 
きた。俺が何も言えずうつむいていると、親父は突然涙をこぼし 
ながら「大学の事で悩んでいたのなら、そんな大学は辞めても 
いい。大学を卒業しなくても人生なんてどうにでもなる」と 
言った。 

普段「勉強しろ」しか言わない親父の意外な言葉に、私が呆気に 
とられていると、親父は「いいか、どんな理由があっても親より 
先に死んだら親孝行になんかならん。元気で生きてくれるのが 
一番の親孝行なんだ」と言葉を詰まらせながら号泣した。 

突然の親父の言葉と涙に、俺も堪えて 
いたものが切れて号泣してしまった、 

後にも先にも、親父の涙を見たのはこの一回きりだ。