2003/05/01 (木) 20:42:26        [mirai]
風船は最初、球団の公認販売ではなかった。それというのも、また風にのって近隣
住宅のごみ公害となる可能性があったためだ。この悩みを解決したのがシャープ産
業の小林さんだったという。
阪神ファンでもある小林さんは球場で販売するために、球場向きのジェット風船の
開発に取り組んだ。ゴミ公害を起こさないために高く飛びすぎず、しかし上げる人
が満足するぐらいは飛ぶ事が大切だった。甲子園球場のスタンドで実験を重ねて、
球場販売にふさわしい風船の開発に取り組んだのだった。
こうして完成したジェット風船は、最初「つくし型」で先端だけが丸く胴体部分は
ストレートの物だった。このタイプのジェット風船は高さは理想どおりの高さまで
上がったのだが、まっすぐに飛ばなかった。そういえば、当時のジェット風船はふ
くらませばわずかに反っていた。また、非常に割れやすかった。
ここからがさらに小林さんの努力の成果だ。さまざまな改良を重ねて完成したジェ
ット風船は「三段ジェット風船」と呼ばれる物で、ダンゴのように三段の丸みを帯
びている。このタイプは反りも少なく、飛んだ時の進直度が非常によいのだ。タイ
ガースマークの入った球団公認のジェット風船は、膨らましている時にも割れにく
いシャープ産業の三段ジェット風船である。
阪神ファンが上げているジェット風船は、単なる他球団の猿まねではない阪神ファ
ンが育て上げた球場向きのジェット風船なのだ。