2000/11/10 (金) 02:04:44        [mirai]
・・・自分が、マフティー・ナビーユ・エリンであります。今日まで、自分を中
心とした組織が、地球においでになった連邦政府の閣僚たちを粛清してまいりまし
た。そして、そのたびに、なぜ、こんな暗殺団まがいのことをしてきたかを、説明
してきました。それについては、かなりの世論の支持を得ていることは、連邦政府
の関係者もご存知のはずです。にもかかわらず、連邦政府は反省の色もみせずに、
ここアデレートでは、さらに、地球汚染を再開するような法案の成立をもくろんで
います

・・・本格的な閣議は、明日からはじまり、マフティー掃討のためには、どのよう
な支援も行われるであろうという合意がなされます。しかし、それは、連邦政府の
関心が、われわれにむけられているというていどの問題でしかありませんから、そ
れについて糾弾はいたしません。テロは、あらゆるケースであろうとも、許される
ものではないからです

・・・我々はマフティーの名前のもとで、Ξガンダムとともに、連邦政府と戦うの
は、組織におぼれた人びとを粛清する目的があるからです。これが、理想の戦いで
ないのは知っているのですが、宇宙移民法にあるとおり、すべての人びとが宇宙に
出なければ、地球はほんとうに浄化されることはありません。現在、人類は、宇宙
で平等に暮らしていけるのです。オエンベリでは、地球に不法居住しようとする人
びとが、軍を組織しようとした非はあります。しかし、それを力ずくで排除したの
は、幾多の種を絶滅させた旧世紀人のやり方と同じではないでしょうか?問題は、
新しい差別を発生させて、連邦政府にしたがう者のみが、正義であるという一方的
なインテリジェンスなのです

・・・今回のアデレード会議が、この連邦政府の差別意識を合法化するための会議
であることは、どれだけの方がご存知でしょうか?アデレード会議二日目の議題のな
かに、地球保全地区についての連邦政府調査権の修正、という議題がありますが、
これはとんでもない悪法なのです

この第二十三条の追加項目にある文章は、官僚の作文なので意訳しますが、たとえ
ば、連邦政府の閣僚から要請があれば、オーストラリア大陸に土地を所有している
方々からも、任意にそれらの土地を提供しなければならないことになります。もち
ろん、正規の居住許可をもっていらっしゃる方からでも、土地を取りあげることが
できます。代償は、収容する土地と同じ面積の土地を所有者の指定するスペース・
コロニーに請求することができるというものです。

・・・これらの法案が、アデレートで可決されれば、地球の自然が復活する芽も摘
みとることになります。それでは、人類が苦難をのりこえてスペース・コロニーに
移住した意味がなくなるのです。考えてみてください。特権階級の数万の人びと
が、地球にもどりたいための法案が可決されれば、地球にもどる人びとが、数十倍
になるのは簡単なことなのです。もう一度、思い出して下さい。旧世紀の最後の一
世紀だけで急増した人類が、地球そのものにも、瀕死の重傷をもおわせたのです。
しかも、スペース・コロニー移民がはじまって一世紀もたっていない現在、地球の
海は、まだまだ化学薬品が残留しているのです。雨にも、まだ化学物質が混入した
ままなのです。まして、植物と小さい生物たちの命は、じゅうぶんに復活していま
せん

・・・それは何をいみするか?そうです。地球には、まだ人類はもどってはな
らないということです。なのに、連邦政府は、人類が地球にもどれる準備をはじめ
て、その前に、自分たちの既得権を手にいれようとしているのです。それが、この
アデレードで行われようとしている会議の真相なのです

・・・で、中央閣僚会議が、これらの法案を廃棄しないかぎり、閣僚たちの粛正を
ここで実行することを宣言します。この放送をきけば、関係者はアデレードを一斉
に逃げるかもしれませんが、これ以後、アデレード周辺から逃亡するものは、無差
別に粛正の対象にします。しかし、我々は一般人をまきぞえにするつもりはありま
せんので、関係者以外は、これから二時間のあいだに、アデレードから退避してく
ださい。その後、アデレードから出ようとする乗り物と人は、すべて我々のター
ゲットになるものと思っていただきます