美紗緒は、砂沙美のお見舞いに行った。 ロビーに立っている砂沙美を見つけた。砂沙美は、ひとりで何かをつぶやいていた。 「砂沙美ちゃん、誰と話しているの?」 「え、ユウギちゃんだよ。そこにいるじゃない?」 砂沙美は空間の一点を指し、同意を求めた。美紗緒は、ちょこんと会釈をした。 砂沙美はとても満たされた笑顔をしていた。だあ美紗緒は、 その微笑みに幸せと正反対のものを感じていた。