2003/05/31 (土) 13:42:33        [mirai]
「ごめんね、達也。お母さんを許してね…」

 
「……お母さんって言っても、義理のでしょ?
 本当のお母さんじゃないじゃん」
 
「それなら、今のこれも……『ごっこ』なんですか?」
 
「…お邪魔みたいだから、さよなら」
 
「お願い、ここにいて? 優香ちゃんを追わないで…」

 
「……しちゃいましたね。お兄ちゃん離れ」 

 


…所詮、家族なんてこんなものさ。
 

…審判の時は来た。

全てを終わらせる一言が、屋上に、そして俺の心に、
静かな余韻を残していく。

伸ばした手は、優香に届かなかった。

でも、それを悲しいとは思わなかった。

優香の真っ直ぐに伸びた背中を見て、今までの自分が
決して間違いではなかったと自惚れることができたから…。