彼女は、買ってきたときから、小学校低学年程度の体つきをしていた 生まれたばかりのはずなのに、言葉を流暢に話す。内蔵されたAiのおかげか。 私は彼女に「翼」と名づけた。 翼の笑顔はあかるい。私を癒してくれる。 ただ、翼は、「10」という数字をみたとき、急に暗い顔をして「し」っと一言いう。 だが私が「どうした?」と声をかけると、いつもの笑顔に戻る。 彼女がみた「10」という数字と意味不明な「し」とは、どんなつながりがあるのか。 あるひ、翼が「また生まれてくるときも、お父さんの子でいたい」と言った。父の日だった。