翼は、ブツブツと独り言を言っていた。 笑い声で、AIがしゃべっているとは思えないほど自然に話す翼。 いつもはそうなのだが、今は様子が違う。 ただ、「怖い、怖い」と、言葉を反芻していた。 「どうした、翼、お化けでもいたのか?」 すこしからかいながら、私は姿をあらわす。 ぱっとこちらを振り向く翼。 表情は、いつものように、明るい笑みだ。 「ううん、何でもないよ、おとうさん。」 そうは言うものの、彼女の目は赤い。まるで、泣いた後のように。