2003/06/18 (水) 21:52:02        [mirai]
「つまり」
彼女は不機嫌そうな顔のまま言った。
「やっぱり誰もいなかった、ってわけ」
「簡単に言えばそうなるね」
不機嫌な女性には慣れている。こういう時に目を合わせるのはやめた方がいい。
「でも」
「何よ」
「コンビニに新しい雑誌が並べてあった」
「それが何……」
言いかけて彼女は黙った。理解してくれたようだ。
「ただ、元に戻ってるだけじゃ無いって事?」
「イコール誰かがいる、って訳じゃなさそうだけどね」
彼女の顔が一層不機嫌になった。無理もない。