「きいたなァ……」 凄まじい笑みであった。 額に当てた手の間から、力王山が、松尾象山を見ている。 「鉢が割れちまって、そこから指が入るんだ……」 力王山は言った。 「指先に、脳味噌が触るのが分かるぜ」 強烈な台詞であった。 くるり、と力王山の眼が額裏返り、すぐにまた黒眼がもどってきた。