2003/06/28 (土) 13:43:16        [mirai]
月光の冷たさに
骨がそっと 氷る
雪のような胸の下は
赤い薔薇の シャーベット

蜉蝣の翅も軋む
眠りへの階段
踏み出すたび 痛みの欠片
ひとつふたつ こぼれて融ける

 糸杉の間に間に
 ゆれるのは 魂
 世にもやさしい目で
 わたしを見ている

 少しだけ今だけ
 生きるのを止めよう
 すべてを忘れたら
 もういちど目覚める 
 
 



月光は 銀の爪で
絹の糸をつむぎ
縫い綴じるよ 玉兎うさぎの見た
いつか降りる 終嫣の悪夢ゆめ

 心はこんなにも
 儚い匣だから
 ひとつぶの涙の
 重さを知ってる

 少しだけ今だけ
 生きるのを止めよう
 何もかも忘れて
 もういちど生まれる

 糸杉の間に間に
 ゆれるのは 魂
 世にもやさしい目で
 あなたを見ている

 少しだけ今だけ
 生きるのを止めよう
 何もかも忘れて
 もういちど生まれる