2003/06/28 (土) 15:12:54 ◆ ▼ ◇ [mirai]始末書
[A-007818-3205号]
カミーユ・ビダンは、UC0087年4月20日0623時、月空域における
訓練ミッション中、不注意によりEQ-D79F型ブローブを破損せしめ、
所属部隊に重大な損害を与えた事を深くお詫びいたします。
今回の事故は私の未熟な操縦技術および状況判断によるものであり、
たとえ民間人といえども、貴重な機材を喪失したことに対する重大な責任を
痛感し、反省する次第です。
今後はかかる事故を二度と起こさないことを誓い、たとえ一民間人といえども
一層奮励努力いたします。
UC0087年4月20日
エゥーゴ巡洋艦アーガマ所属RX-178 3号機パイロット
カミーユ・ビダン(市民ID#BK70111106)
認証:クワトロ・バジーナ(大尉:アーガマ隊所属)
アストナージ・メドッソ(曹長:アーガマ隊所属)
ブライト・ノア(中佐:アーガマ艦長)
個人的補記
まず、一民間人である私が、かかる書式に則って始末書を提出することに
たいしては、重大な疑問点があることを主張します。
たとえ民間人であっても物を壊したら謝罪するのは道理ですが、
悪気があってやったこと、謝罪するにしても形式ばった軍の書式で始末書を
提出することにどれほどの意味があるかは疑問です。
謝罪するのなら、軍に対してではなく、機材を購入するための費用を供出した
納税者に対してするべきでしょう。そしてそれは事故に関連した関係者全員の
謝罪であるべきです。なぜならば事故は一個人の過失によって引き起こされた
物ではなく、関係者全員の作為・無作為の総和であるからです。
換言すれば、単なる一市民に過ぎないカミーユ・ビダン一人が頭を下げただけで
すべてがすんでしまうというのなら、その程度の「軍隊」と言う組織の
誤謬と欺瞞性が明らかになったというべきなのであって、
それでもかまわないというのならそれはそれで結構なことですが、
本当にいいんですかね、それで?
加えて、敢えて指摘すれば、かかる状況を現出せしめた主因に、
クワトロ・バジーナ大尉の危険な挑発行動があったことは明白であります。
クワトロ大尉の操縦する機体のマヌーバ記録
(ファイルFGH2120-R646-F/08)を参照すれば、該当マヌーバが
本訓練ミッションの規定範囲を大きく逸脱した危険行動である事は明らかであり、
これはクワトロ大尉の私に対する個人的攻撃感情の発露としての
挑発行為であることが推測されます。
(ファイルFGH2120-R646-F/08:ファイルクラスタM:
インデックス・タグ#12989~#20533参照のこと)
この点において、クワトロ大尉のパイロット適正に対する重大な嫌疑を提示する
ことは衆目の一致するところであると信じます。
クワトロ大尉と私との確執は、大尉の一方的な思い込みによるものといえ、
その偏執狂的執着が、今回の事態を招いたことは明らかです。
このような人物がモビルスーツを操縦し、あまつさえ作戦行動に従事し、
のみならず部隊を指揮するということはもはや常軌を逸した行動であると
いわなければなりません。
クワトロ大尉のような人物に作戦をまかせることは、猿に爆弾を持たせるのも
同然であり、しかもそれは猿に対する侮辱ですらあります。なんであのような奴が
偉そうな顔をして、みんな平気でいられるのが、ぼくにはまったく理解できません。
みんなおかしいと思わないのか?
さらに状況を敷行すれば、かかる問題人物をパイロットとして採用し、
作戦に従事せしめた指揮官の人選および判断にも異常があったことは
明らかであります。
ヘンケン中佐の作戦指揮には、集団行動を円滑に推進するための配慮が
著しく欠落しております。人を見る目がない、と換言することもできましょう。
だいたい、ふだんから色眼鏡で表情を隠しているような人物を信用するなど、
指揮官としてのヘンケン中佐の適性には強く疑念を感じざるを得ません。
人の上に立つ器なのか?
クワトロ大尉も、人に話をするのなら、まず顔を見せるべきでしょう。
ひょっとしたら顔隠さなければならないほどのブ男なのか?笑うぞ。
したがって、かかる状況における私の責任はその範囲において軽減され、
クワトロ大尉ならびに大尉の行動を容認したヘンケン中佐にも相応の責が
課されるのが正当であると敢えて主張するものであります。
なんだよいったい始末書って。
こっちは頼まれたから戦ってやってるんだということをみんな一度、よく考えて
みるべきでしょう。軍隊には、礼儀というものはないのですか?