2003/07/13 (日) 16:53:50 ◆ ▼ ◇ [mirai]「……ふふふ、フォルテさん、そこが宇宙で良かったですわね……」
チビ女はスクリーンを見ながら、頭の両脇に付いた長い耳をピクつかせ
た。
「地上で走りながらカーセックスなんかしたら、絶対地獄行きでしたのに
……。紋章機のエンジンも止めず操縦もせずに、ぶっ飛ばしてヤリまくっ
ても、宇宙ならどこにもぶつかりませんものね。でも、そうやってニコニ
コしていられるのも、今のうちですわよ……」
そして、悪魔のようにニヤけながらビデオテープを取り出すと、着ぐる
みルームに行って釣りバカ日誌の西田敏行のコスプレをすると、廊下に出
て行った。フォルテの部屋の前に来ると、竿を振ってドアの前に干してあ
るパンツやブラジャーを次々に引っ掛け、「大漁、大漁」とアイスボック
スに入れて帰っていった。後で自分の股間をなすりつけて「フォルテさん
の臭い付きパンティ」などと札を付けて、廊下で叩き売るためである。そ
れを基地の腐女子風の女性隊員たちが、「きゃー、フォルテさんのパンツ
よー!」「しかも体臭つきー!」「吸わせろコノヤロー!」などとたかっ
て買いあさる。それを横目で見て、(ふん、本当はわたくしのマンコ汁が
へばり付いているとも知らずに……くっくっく、バカな女どもですわ)な
どと鼻で笑うのだ。
彼女――ミント・ブラマンジュ――の家は名門で金持ちだったが、仕送
りなどは受けていないので、小遣いはこのように詐欺や恐喝などの犯罪で
稼がねばならない。そして、次の標的は決まっていた。