不動様は、不意にパクリとその舌を頬張ると、ズルリズルリとシャブリ初めた。 女は衆人環視の中で舌をさし出したまま、眼を閉じてブルブルふるえていた。 すると不動様は何と思ったか突然に、その舌を根元からプッツリと噛み切って、グルグルと嚥み込んでしまった。 女は悶絶したまま息が絶えた。 あとで町から医者や役人が来て取調べた結果、不動様の脳髄がずっと前から梅毒に犯されていることがわかった。 この事実がわかると、その村の不動様信心がその後パッタリと止んだ。不動様を信仰すると梅毒になるというので……。