2003/07/26 (土) 02:51:54 ◆ ▼ ◇ [mirai]「往人…さん?」
「あ…」
「往人さんっ…」
「…往人さん…!」
「わたし、がんばるからねっ…」
「がんばってみせるからねっ…」
「もう弱音吐いたりしないからね…」
「だから…」
「だから、どこにもいかないでっ…」
「ずっと、そばにいてっ…」
「往人さんっ…」
「もう、どこにもいかないで…」
「ひとりにしないでよね…」
「ね、往人さん…」
大丈夫だよ、おまえは。
おまえは、強い子だから…
十分強い子だから…
それが取り柄だろ。
な、観鈴。
「う、うん…」
だからきっと、辿り着ける。
ふたりで目指したゴールに。
誰も辿り着けなかった…ゴールに。
頑張れ、観鈴。
「往人さん…」
「嫌だよ、ひとりにしたら…」
ああ。
ずっと、近くにいるからな…俺は。
ずっと、ずっと…いっしょだ。
「どこにもいったら嫌だよ…」
「嫌だよぉ…」
「往人さんと一緒にいたい」
「往人さんと、遊びたい…」
「それで、わたし元気になるからっ…」
「それで、笑ってられるから…」
「にははって…いつもみたいに…」
「往人さん…往人さ…ん…」
だいじょうぶだ。
絶対…わすれないから。
みすずのにおい…
温もり…
笑顔。
離ればなれになることがあっても、それを目指して、俺は歩いていくから。
「いかないでよ、往人さぁん…」
人じゃなくなっても…
どれだけ遠くなっても…
ずっといっしょだから。
いつまでも、いっしょだから…
「往人…さん…」
…みすず。
さようなら…