2003/08/10 (日) 19:55:51 ◆ ▼ ◇ [mirai]両手指2本ずつの小5生 リコーダー吹けた
生まれつき手や足に障害がある子どもの作文や写真を集めた本「わたしの体ぜんぶだいすき」
(先天性四肢障害児父母の会編、三省堂、1300円)が、
6月に出版された。両手とも小指と親指の2本の田原本町八尾、小学5年生平瀬香奈さん(11)は
「わたしの手は宝物」という作文で、リコーダーが吹けるようになった喜びを書いた。
香奈さんの通う田原本小学校では、3年生からリコーダーの音楽の授業がある。
父全宏(まさひろ)さん(44)が穴の位置を変え、折り曲げたテレホンカードで穴が押さえられるよう改良したリコーダーを使って授業に臨んだ。
最初はクラスのみんなと少し違った音のように聞こえた。
2学期の終わりになって下の「ド」を吹く曲を授業で演奏することになった。
「ド」はリコーダーのすべての穴をふさがなくてはならない。
全宏さんは「ドの時は休んでおき」と言ったが、
香奈さんは「クラスのみんなと同じように演奏したい」と2週間毎日「ド」の音を出す練習をした。
3学期になってやっと「ド」の音が出せるようになった。
大喜びですぐに母朱美さん(40)に吹いて聞かせた。
朱美さんは、出産して香奈さんの手を見た時「これから先、指を使うことは全部してあげなきゃいけないな」と思った。
手の骨に針金を刺して指を伸ばす手術を7カ月間に5回受けたこともある。
洋服のボタンを自分で留める香奈さんを見て「この子はこの手。特別扱いはしない」と決めた。