アニメにはここんとこ、ブレークスルーがないよね。 ヤマトはアニメに大人の鑑賞に耐え得るだけの物語性を、 ガンダムはアメリカンSF的リアリズムを持ち込んだ。 それ以降、大きなブレイクスルーはないよね。 その後は、高橋が政治やハードボイルド、押井が映画的手法 を持ち込んだけど、余り成功はしなかった。 庵野はアニメに現代思想を持ち込もうとしたが、完成度の低さと 受け手の質の悪さで、いつの間にやらナルシズムに転化 してしまった。ジブリはそんな中、高いレベルの品質管理と ヲタ色の排除で成功した例外中の例外だ。 結局、表現というのは、絵画史を見ても分かる通り、外部の血を 取り入れて発展していくものだから、アニメしか見てきていないヲタが、 ヲタどうしの間で縮小再生産を行っているうちは、次のブレークスルーは 見えて来ないだろう。