昨晩のことだった。 ここのところ残業続きで毎日のように帰りが遅く、特に昨夜は午前三時を回った頃に帰宅した。 ポケットをまさぐって鍵を探し、ドアを開けた瞬間凍り付いてしまった。 見知らぬ少女が電気も付けていない暗闇の中、こっちを向いて座っていた。 「おかえりなさい」と温かく迎えられた私は、返す言葉もなかった。 「……一体、君は、誰?」そう言うのが精一杯の私を無視するかのように少女は 「お風呂はいってるよ」と呟くと、奥の部屋に行ってしまった。