2003/10/12 (日) 14:55:53        [mirai]
役員室は第一銀行だらけだった
みな進行方向を向いてすわっている
最前列には
受信状態の悪い3億円が高い台の上に置いてある
ノイズの中で途切れ途切れの宝くじが
かすかにわかるだけで
いったい何のことだかわからない
それでも皆文句も言わずに聞き入っている
ここは退屈だし、それに暑くて空気がよどんでいる
第一銀行をかきわけて
広々とした東京拘置所に出た
そこにもいたるところに勧業銀行が寝そべっていて
足の踏み場にも困る。それでもなんとか通り抜けて端まで来た
身を乗り出すと青い平面に鑿で削ったような
凸凹が遠く近くに見えた。さらに眼をこらすと
小さな細長い魚のようなものが青をすべるように飛んでいる
羽が生えているところからすると平穏な総会に違いない
一度目につくとあちらにもこちらにも飛んでいるのに気がついた
その散らばり方が何かに似ている
さっきの宝くじだ