> 2000/11/14 (火) 03:15:28 ◆ ▼ ◇ [mirai]> 誰か怪談してくれヽ(´ー`)ノ
気配…けはいという言葉がある。
何か目に見えないものの存在を感じたり、ある場所に近づくとザワザワとし
た胸騒ぎをおぼえることがないだろうか。
これは映画にもあったシックスセンス、人間の第六番目の不可思議な感覚な
のかもしれない。
今夜の話は、そんな気配というエネルギーが一瞬にして起こした恐怖である。
***
大阪の北区。
ビジネス街と繁華街が混在する賑やかな一帯。
JR大阪駅に近い桜橋交差点の角に、12階建てのオフィスビルがある。
築後30年は経つビルだから、さすがに古さは隠せないが、立地のよさから
空き室はほとんどないほどテナントで埋まっていた。
地下1、2階は飲食店や雑貨、文具を扱う店からパチンコ屋まで入居してお
り、大阪らしいごった煮のような無秩序な雰囲気を醸し出している。
最上階までは、大小の有名無名企業が名前を連ねていて、連日夜遅くまで多
くの窓には残業の明かりが煌々と灯っている。
数年前まで、そのビルにわがT社関西支社は入っており、約100人の社員
が忙しく立ち働いていた。
スタッフ部門は、そのビルの11階北西角の眺めのいい部屋を与えられてい
た。
6月のその日の夜も、終業のチャイムが鳴っても誰一人として帰り支度する
者もなく、果てしない残業の地獄へと突入していった。
ブラインドの隙間から、血のように赤い西日が射し込んでいる。
蒸し暑い大気とはガラス一枚で遮断されて、室内は快適な空調に満たされて
いる。
しかし、このビルの時代遅れの規則によって、空調は18時で切れてしまう。
空調の切れた部屋は、まるでジワジワと毒ガスが広がっていくように、粘り
つくような不快な空気に侵されていく。
いつしか額にうっすらと汗がにじむほどになり、そうなると徐々に仕事の能
率も、思考能力も落ちていくことになる。
それを期に、耐えられなくなった者がひとりふたりと残業の戦列を離れて
くのだ。
参考:2000/11/14(火)03時13分18秒