2003/11/07 (金) 15:30:12 ◆ ▼ ◇ [mirai]北村龍平監督はアクション志向の強い若手有望株として
今や引っ張りだこ状態なのだが、僕自身はこの監督が
特別うまいともすごいとも思えない。
最初に『ヒート・アフター・ダーク』や『VERSUS』を観たときは、
日本映画界には珍しい徹底した活劇路線に痛快さを感じたのだが、
結局この監督はそれだけの人なのだ。
アクションはともかく、この人はドラマが決定的に弱い。
キャラクターが類型的になってしまうのは致命的だ。
売り物のアクションにしても、長丁場になると
ワンパターンぶりが目について飽きてしまう。
ドラマの欠点は、この監督がいつも
同じ脚本家と組んでいることにも原因があるだろう。
今回の映画で脚本を書いている桐山勲は、
『あずみ』『ALIVE』『荒神』などでも北村監督と組んでいる。
同じ脚本・監督コンビで面白い映画が撮れるならいいけれど、
このコンビが作った映画の場合はどうなんだろうか。
僕は『ALIVE』を未見なのだが、他の作品や本作を観る限り、
このコンビはもう解消した方がいいと思う。
ひょっとしたら監督のリクエストかもしれないが、
この脚本家が作りたい世界と北村監督の持ち味が、
うまくかみ合っていないのではないだろうか。
今回の映画では監督と脚本家が互いに好き勝手なことをやっているようで、
相互に触発し合ったり歩み寄ろうという態度がまるで見えない。