体力はない、お金もない、才能もない、人脈もない。 あるものはといえば漫画を読むこと描くこと、アニメを観ること。それくらい。 思えば昔から人より秀でた分野など一つもなかった。 平凡でつまらない人間だ。いや、それは平凡な人にすら失礼かもしれない。 そんな自分が何かを作り、不特定多数の人に喜んでもらおうなど、おこがましいにもほどがある。 自分のような人間は誰にも見られることなく、ひっそりと孤独に息を引き取る野良猫のように生きるべきなのだ。 まったく申し訳なく思う。 そのくせ孤独に弱い人間だから、本当に一人になったら明日だって生きている自信がない。 親から貰ったこの命。 何一つ輝かなくても、天寿をまっとうすることがせめてもの誠意であると思うから、ここでの自己主張は唯一の我侭なのだ。 見逃してやってほしい。