じつは、俺と同棲してる彼女は、ゴッグなんだ……。 最初に出会ったのは、三年前。 まだ、俺がリア工の頃だ。 今さら自分で言うのもなんだが、頭の悪いガキだった。 ある日、学校から帰ってくると。「こ……こ、こんにちはっ」 誰だ、こいつは。そんな感じで、びびった。「私、ゴッグです。ゴッグ、っていいます」 うちの台所(兼居間)の椅子に座ってんのよ。ちょこん、ってさ。 オフクロが言うには『戦場で死んだ戦友のひと粒種なんだよ』とか言っちゃってんの。 そんでひどいことにはさ、このゴッグ、片脚が切られてんだよ。 「れ、連邦のジムに、ですね。あの、えっと……ジムっていうのは、ですねっ」 なんかすげえ必死な顔で、説明するんだよ。これがまた。 俺、連邦のモビルスーツ全部知ってるのに。で、話が終わると鶴の一声が。 『カアちゃん、仕事で忙しいから。あんたがお世話するんだよ』 もうマジかよ、って思ったね。その時は。「よ、よろしく……お願いします」 二度思ったね。もうマジかよ、もうマジかよって。