「おーじょー!」 「この×××がぁ!」 さわやかな朝の挨拶が、静まり返った枯華院にこだまする。 仁王様の眼前に集う男たちが、今日も天使のような笑顔で、背の高い門を投げ出されていく。 汚れしか知らない心身を包むのは、赤い色の数珠。 大きい法衣は乱さぬように、掴まえた相手は逃さぬように、激しくまわすのがここでのたしなみ。 もちろん、失敗して地獄へ落ちろーと叫ぶなどといった、はしたない行為など存在していようはずもない。 花諷院骸羅。 サムライスピリッツ斬紅郎無双剣より登場したこの男は、 元はレバーの破壊のためにつくられたという、伝統ある筐体壊し男である。 サムライスピリッツ零。 初代サムライスピリッツの面影をもはや残していない適当感の多いこのゲームで、 詰みキャラに見守られ、前転円心から遠A円心までの一貫教育がうけられる円心殺の園。 時代が移り変わり、性能が二回も改まった今日の円心殺でさえ、必死に回し続ければ レバーの壊れた純粋最低コンパネが生成される、という仕組みの残っている貴重な男である。