文章が低級に見えるだけではないかと頑固に主張し、もっとましな 自分自身という物が、姿は見せないがあたかも雲の中に竜が 隠れているような案配に頭の中に隠れていると信じ込んでいる。 これは迷信であって、本当の自分自身は浅薄な文章以上でも以下でもない。 頑固に主張するその頑固さも明らかに彼の表現だとすれば、 浅薄さプラス頑固さがすなわち自分自身であって、 その他に自分自身という物はありえない。