2003/12/24 (水) 00:35:37        [mirai]
羽を焼かれためじろが地べたを跳ねていた
しらぬ間に左腕を火傷し
髪留めが髪のこげついていた
死体を平気でまたいで歩くようになっていた
時々踏んづけて灼けた皮膚がむけて滑った
地面が熱かった靴底が溶けてへばりついた
わたしは腐ってないおばあさんを冷静に選んで
下駄を盗んで履く人間になっていた

あれから十年
しあわせだと思うたび
美しいと思うたび
愛しかった都市のすべてを
人のすべてを思いだし
すべて失った日に
引きずり戻される
おまえの住む世界は
ここではないと
誰かの声がする