2004/01/11 (日) 20:27:07        [mirai]
11月9日(日) 曇/雨 フラグONの日?  (^_^) 普通 
 今朝、選挙に行く。 

 投票所で昔付き合っていた子に会う。 
 こっちは懐かしさでいっぱいであったが、向こうはきな臭い雰囲気をたたえていた。 
 なんと言ったらいいだろうか、視界の先が煙るような感じ。 
 霧の中の森ではなく、山火事に燻されているような雰囲気。 
 心の中でなんとなくチャイムがなる。 
 警告音とイベント予告音。 
 どうもイベントフラグのにおいがする。 
 そんなこんなでフラグが成立する前に、さくっと逃げる。 

 心のふるさとに向かおうと駅へ向かうと、駅で新しいチョコ菓子が出ていたので買ってみた。 
 昨日の夜から食事をしていないので、車内でちょっと試食をしながら本を読んでいると、隣のOL風おねーさんが声をかけてきた。 
「あのー、それって新製品ですかぁ?」 
 無言で一言差し出すと、お菓子と私で視線を一往復。 
 再び無言でうなずくと、ぱくっと一口。 
「おいしぃー・・・・。」 
 そのあとに流れるお菓子薀蓄と自慢話、というか同士賛歌が鳴り響き、どんなお菓子がすきかとかが飛び交う話を心で考えた。 
 なんか、何かに似てるなぁ、この雰囲気。 
 それもかなりやばいもの、に。 
 背筋の寒さを思って、さくっと急行に乗り換えて別れを交わす。 
 耳の奥でチャイムの音を感じたからだ。 
 これも警告音とイベント予告音。 
 共通点について深く考えることにした。 

 新宿から中央線(各駅停車)にのって、VAIOを出して数分。 
「あのー、ちょっとお聞きしていいですか?」 
(・・・なんなんだ・・・とぉ?) 
 擦り寄るように女性が横に座る。 
「そういう小さいコンピューターの使いごごちってどうですか?」 
 彼女は語る語る想像と必要と憧れと妄想と・・・。 
 一応専門分野だったので冷や水をかける。 
 今はこういうPC自体が市場から消えていると。 
 時代的には最小がA4サイズで、あとは高機能+大型化を進んでいる、と。 
「へー、なんでなんですか?」 
「メールもITも携帯ですむからですよ。」 
「でも、そうやって便利につかって・・・」 
「個人でPCは無理して持ち歩く時代じゃないんですよ。個人で必要な情報の大半は携帯で得られますからね。」 
「お仕事では使いますよね?」 
「持ち歩くのは仕事だから機種選ぶことはできない。仕事で持ち歩くものは値段に縛られるから趣味は反映されない。結果的に趣味名機械は市場から減ってゆく。」 
「・・・」 
「そんなわけでこのタイプのみにノートは市場から駆逐されていっているわけです。」 
 何かを考えるような女性。 
 視線を合わせて何かを言おうとする彼女を見て、今日三回目の音が頭の中で鳴り響く。 
 『やばい』 
 彼女の首筋から『詭弁』の匂いが漂っている。 
 雰囲気的に感知できるものだ。 
 瞬間的な感覚を信じて、話もそこそこに途中駅で降りる。 
 じゃ、と手と振って見送ると、なぜかわらわらとその女性に向かって詰まる人間。 
 先ほどまで笑顔だった女性が、こちらを無表情に見る。 
 無念も悔しさも無い無表情。 
 はじめからこっちの顔だったら色々と誘ったのに・・・と苦笑い。 
 馬鹿な内心をよそに、ぞっとするような感覚はすでに遠のいた。 
 しかし、予感の真相の形を見た気がする。 
 警告の共通点は匂い。 
 趣味の悪い香の匂いが話しかけてきた女性たちの共通点。 
 ぐっと背筋の寒い感覚がぶり返す。 
 警告音とイベント予告音。 
 心を研ぎ澄まさなければ、落ちるのやも知れないことを感じる。 
 あぶねーあぶねー。 
 しばらく付き合わなくちゃいけないような関係で腹黒さを見るのは好きだけど、今日みたいなのはごめんだ。 

 危険を友にするのは仕事だけで十分さ。