大学入学祝いで買い与えてもらったパソコンでは基本的操作を身に付けてはみたものの、 使い道と云えば毎晩テレホに馴合いチャットをしているような生活だった。相手に気を 使い場の雰囲気を読まなければならない。最初はそれでも楽しかった。即座に自分の言 葉に反応する顔も知らない何も知らない電話回線の向こうの人間。今までの自分独りで 黙々とプレイするテレビゲームでは味わえない生の反応。しかしそう思える事も無くな っていく。ネットでも引き篭もる。ワレズを落とすだけの毎日。それが今年の夏の日。