「だって、俺によぅ、女なんて、俺が好きなんて、自然の理に反してるよぅ」 実際そうだと思ったが、私は敢えて彼を叱咤した。 「馬鹿。蓼喰う虫も好きずきって言うだろ」 「今も、今も、そこのドアの前にいるんだよう。怖い。怖いよぅ」 「どーんと行ってやれ。どーんと」 「ダメだ。三次元だぜ。立体的すぎる。生きてる。しかも動いてる」(P.158)