> 「・・・えさま」 > 「聞こえなーい」 > こうなったら、絶対言わせるつもりらしい。 > 祐巳は、観念して辺りを見回した。幸い、マリア様しか見ていなかった。 > 「お姉さま!」 > 銀杏並木の中で、祐巳の声は妙にはっきり通った。 > するとマリア様のようにきれいなお姉さまはよく響く声で > 「聞こえなーい」 > とろけかけた心が、一瞬にして凍りついた。 > 「・・・そういうことですか」 > 祐巳は、そのまま駆けだした。 > 銀杏並木をどんどん進んで校門が見えてきたところで、祐巳の足はやっと止まった。 > 十メートルほど先にいる集団の中に知っている人がいたから。 > 「・・・聖さま」 > 「祐巳ちゃん、どうしたの!?」 > 「聖さまぁっ」 > 祐巳は、真っ直ぐ聖さまの胸に飛び込んだ。 (;TДT)<あなたが好きなの 参考:2004/02/05(木)01時27分28秒