> 「もう、いいかしら?」 > とろんとした目で、黄薔薇さまが髪の毛をいじった。 > 「あ、すいません。お手間とらせました」 > 道を譲って深々と礼をしながら、何か調子が狂うな、と思った。つまらない表情をしている > 時でもテキパキ動いている黄薔薇さまが、今日に限ってどうしてこんなスローテンポなのだろ > う。 > 「ねえ、あなた」 > そのまま帰るように思われた黄薔薇さまが、突然振り返って言った。 > 「深夜にね、テレビを見ていて、見たいアニメがあるとするでしょ?でも、次の日は大事な > 予定があるのよね」 > 「はあ……」 > それは、何かの喩えなのだろうか。しかし三奈子にはちんぷんかんぷんで、ひたすら相づち > を打って首をひねるだけである。 > 「ビデオデッキはあるのよ。録画したほうがいいと思う?」 > 「え?」 ワラタ 参考:2004/02/08(日)10時15分42秒