いまさら説明は不要と思いますが、今、日本経済は深刻な状況に陥っています。1997年度の経済成長率はマイナス0.7%と、 石油ショック以来戦後2度目のマイナス成長となり、98年度のマイナス成長も確実です。2年連続マイナスは未曾有の事態でもあ り、これまでの景気循環の中にあって単なる景気後退局面を超え、デフレ・スパイラル入りの懸念すら広がりつつあります。 他方、世界では97年からのアジア通貨危機に続き、8月にロシア経済金融危機が発生。これがきっかけとなって多くのヘッジ ファンドや、その資金供給を担っていた世界の有力金融機関の巨額損失が公になり、アメリカの代表的なヘッジファンドLTCM の破綻が表面化、世界に影響を与えました。素早い対策によって、ひとまず世界的な金融危機は回避されましたが、これまで好 調だったアメリカ経済には不透明感が広がっています。 世界のマーケットが相互に関連を深める中で、世界経済の変調は日本にも影響を与えます。急速に進んだ円高もその一つです。