「危ない!」と女の子が叫んだ瞬間、 何者かのフライング回転ラリアットにより、 俺は道路の脇に引っ張られ、命を救われたのだ。 俺を救った男は、右肩と右肘を しきりに気にしながら、無言で去って行った。 ラリアットは、左腕で放っていたにも関わらず、だ。 彼は一体何者だったのか。 微かに記憶しているのは、 彼が「Mr.Triple Crown」と刺繍された シルク地でエメラルドグリーン色の ジャンパーを着ていたことだけである。