> 2004/02/15 (日) 21:54:13 ◆ ▼ ◇ [mirai]> マリみての小説っておもしろいのか?(;´Д`)
> 貴殿等の印象に残ってるシーンを貼り付けてみろよ
「……聖さま」
弱い声で呼びかけたにも関わらず、黒い傘はゆっくりと振り返った。一緒にいたピンク
の花柄とか黄色の水玉とか紺のチェックとかの傘は、黒傘が立ち止まったことさえ気づか
ずに校門を抜けて歩いていく。
「祐巳ちゃん、どうしたの!?」
聖さまは叫んだ。傘があるのに濡れ鼠となった後輩を見れば、たいていの人は驚くもの
である。
「聖さまぁっ」
祐巳は傘も鞄もその場に捨てて、真っ直ぐ聖さまの胸に飛び込んだ。
「いったいどうしたの」
ただ泣き続ける祐巳に、聖さまはオロオロするばかりだったけれど、どうして泣いてい
るのかを冷静に説明できそうになかった。でも、この前聖さまが「ぶちまけていい」って
言ってくれたから。もう一人で抱えきれないほど膨らんでしまった切ない思いを、誰かに
聞いて欲しかったから。
「ああよしよし」
聖さまは、しゃくり上げる祐巳の背中を、やさしく撫でてくれた。こうしていると、何
も考えずにいられそうだった。大きな存在に身を委ねて、疲れた身体を休めたかった。
やがて手の動きが止まって、聖さまがつぶやいた。
「……祥子」
そのことで、祥子さまがそこに現れたことな祐巳は知った。でも、聖さまからは離れな
かった。力を入れて、しがみついた。祥子さまには返さないでって、無言で聖さまに訴え
かけた。
向かい合っている形の祥子さまと聖さまは、どちらも何も言わなかったから、祐巳には
周囲の状況が見えなかった。ただ祥子さまの足音が、ゆっくりこちらに近づいてくるのが
わかるだけだ。
「祐巳」
静かに、名前を呼ばれた。けれど、祐巳は答えなかった。聖さまの腕の中で、いやいや
と首を振り、顔を上げもしなかった。
やがて、祥子さまのため息が聞こえた。
「お世話おかけします」
それは、聖さまに向かって言った言葉だったのだろう。祐巳の頭のすぐ上にあるもう一
つの頭が、小さくうなずく。
「祐巳ちゃん」
遠ざかる足音にかぶって、聖さまがそっと囁いた。
「祐巳ちゃんのおまんこを指で開いてくちゅくちゅしたいよおおーう」
参考:2004/02/15(日)21時52分20秒