車の一番前の窓(運転席の後ろ)から前方の線路を見ていたら 200メートルくらい先の線路のまんなかに人が立っている。 普段着の男。最初間違って線路に入ったのかと思った。今逃げれば間に合う。 しかし、その男は、線路上にうつぶせになった。 胸とすねのあたりが2本の線路にのっている状態。 あっという間に電車はそこまで進んた。 男は、さあ一思いに轢いてくれ、という顔でこっちを見ている。 男の姿が窓の下に消えた。ごりごりんというイヤな音がして 電車が少しだけ縦に揺れた。