> 2004/02/22 (日) 17:35:34 ◆ ▼ ◇ [mirai]> 「今北(´ー`)ロキ」
> 「ジェロニモーヽ(´ー`)ノジェロニモー」
> さわやかな朝の挨拶が、澄み切った青空にこだまする。
> 妖精さんのお庭に集う空白たちが、今日も天使のような無垢な顔文字で、黒板色の掲示板に
> 書き込んでいく。
> 汚れを知らない心身を包むのは、全裸に蝶ネクタイの正装。
> 餃子の王将は完成させないように、うざいギスギッサーは刺激しないように、ゆっくりと書
> き込むのがここでのたしなみ。もちろん、テンプレで荒らすなどといった、はしたない空白な
> ど存在していようはずもない。
> あやしいわーるど@みらい。
> 平成十二年創立のこの掲示板は、もとはIIの難民のためにつくられたという、伝統あるリバ
> ース系掲示板である。
> くずはすくりぷと Rev.0.1 Preview 9 + 妖精20001025+ヽ(´ー`)ノ。くずはの原型をいま
> だに残している500の多いこのスクリプトで、しばさんに怒られ、萌えホから深夜まで一貫して
> アニメ談義が交わされる空白の園。
> 時代は移り変わり、本店の管理人がぽろろから三回も替わったdsの今日でさえ、半世紀間ROM
> し続ければあやしい育ちの純粋培養空白が箱入りで出荷される、という仕組みが未だ残ってい
> る貴重な掲示板である。
祐巳は祥子さまを見つめた。
「なぜ黙るの。あなたの心の中にある言葉を、どうして私にぶつけないの? それじゃ、
私には何もわからない」
お姉さまは今、とても怖い顔をしている。
「ごめんなさい……お姉さま」
それだけ言うのが、やっとだった。お姉さまにこんな顔をさせて、ここまで言わせる自
分が情けなかった。
何が起ころうとも、祥子さまを嫌いになるはずがない。
それなのに祐巳は。次第にぼやけていく大好きな人の輪郭線を、瞳の中に揺らめかせる
だけしかできないでいた。
「あの、祥子さま?」
ただならぬ気配を感じたのか、志摩子さんが扉の側まで駆け寄って声をかけてくれたけ
ど。二人の間に漂う緊迫した空気というのは、誰にも修復することなどできなかった。
「……志摩子、おいで」
察した白薔薇さまが、志摩子さんの肩を抱いて連れていく。
「なぜ、泣くの」
二人きりになった薔薇の館の玄関で、祥子さまが小さく言った。
「やめて頂戴、これじゃ私が一方的に後輩いじめしているみたいじゃない。泣きたいのは
こっちの方よ。妹に避けられて、その理由すら教えてもらえなくて――」
「うっく」
祐巳の喉から、奇妙な音がした。言葉を発しようとしたのに、まるで喉の肉が盛り上が
ったみたいに声帯をつぶして声が出ない。
「なぜ、話してくれないの? あなたにとって、私ってその程度の存在なの? 毛深いの
がそんなに嫌なの?」
参考:2004/02/22(日)17時27分16秒