軒の燕が電線停まり 枝垂れ柳にこの身が靡く あの日通いしニコライ堂 礼拝すれば熱き涙を神ぞ知れ 待てど暮らせど来ぬ人の 便りを待たぬ日とてなく 思い乱れてなを文を書く 路傍のマロニエ見るたび 貴方と刻みしマロニエの 恋の言葉偲ばれて 切ない夢が込み上げる 暮れる街角街灯ともり 帯がなるたびこの身が細る 小雪散れ散れ聖橋 流れに捨てた金の釦に 小雪散れ 言うに言われぬこの心 溜息つかぬ夜とてなく たもと掲げてなを涙する