>  2004/03/03 (水) 02:36:27        [mirai]
> > 共学出身の漏れには男子校を選ぶ奴の気が知れん
> > 何で男子校選ぶよ?
> ごきげんよう、お兄さま。

「ごきげんよう」
「ごきげんよう」
 さわやかな朝の挨拶が、澄み切った青空にこだまする。
 阿弥陀如来様のお庭に集う漢《オトコ》たちが、今日も悪魔のような邪悪な笑顔で、背
の高い門をくぐり抜けていく。
 汚れだらけの心身を隠すのは、わずかな面積の赤フン。
 フンドシのヒモはほどけないように、赤い前掛けは翻らせないように、のっそりと歩く
のがここでのたしなみ。もちろん、遅刻ギリギリで走り去るなどといった、はしたない生
徒など存在していようはずもない。
 私立男闘呼学園。
 明治三十四年創立のこの学園は、もとは部族の族長《オサ》のためにつくられたという、
伝統あるガチムチの学園である。
 東京都下。武蔵野の面影を未だに残している緑の多いこの地区で、神に見守られ、幼稚
舎から大学までの一環教育が受けられる漢の園。
 時代は移り変わり、元号が明治から三回も改まった平成の今日でさえ、十八年通い続け
れば戦場育ちの純粋培養野郎どもが箱入りで出荷される、という仕組みが未だ残っている
貴重な学園である。

 彼――、ゎの人もそんな平凡な野郎どもの一人だった

参考:2004/03/03(水)02時31分27秒