2004/03/03 (水) 16:36:20 ◆ ▼ ◇ [mirai]ところでいつから熱帯低気圧を台風と呼ぶようになったのだ
ろうか。その大もとはアラブの航海者たちの命名によるとい
われている。彼らは台風が見せる風向きの旋回するつむじ風
のような強い風をtufan(uとaの上に-が付く)と呼んでおり、
そこからイギリスではtyphoon フランスではtyphonなどと呼
ぶようになった。アラブが航海者の先達だったのだろう。
中国ではこうした風を古来「颶風」と記した。日本語流に読め
ば「ぐふう」である。江戸時代にはこれに倣って熱帯低気圧を
颶風と訳した文献があったという。もっとも日本には「野分」
という言葉が古くからあった。10世紀に成立したといわれる
「宇津保物語」にはその言葉がすでに見える。しかし明治の初
め頃にはすでに「タイフーン」の語が用いられていたという。
それが 明治の末から大正初期以降には「颱風」と記して「たい
ふう」と読ませるようになってきた。その語源についてはアラ
ビア語起源のtyphoonから音訳したものとする説と 台湾に来
襲する暴風を意味する説などがあり詳しいことは定まってい
ないという。もちろんこの言葉は17世紀頃の中国製であって
日本の発明ではない。そしてこの文字を1946年(昭和21年)の
当用漢字制定以降、今の「台風」と書くように改まった。