2001/05/07 (月) 14:17:49        [mirai]
私も人身事故の経験があるが、悲惨さ極まる事故を招いた事は幸運にもまだ無い状態が続いている。
が、横断歩道を横断中の老婆の足を不注意にタイヤで轢いてしまった事があった。

その時は私の車は一旦停止し老婆の横断を待っていたのだが、その老婆はその場を動かず私の車の通過を待っていた。
しばし沈黙が続き、苛立った筆者は車を発信させた。
すると何とその老婆も苛立ち渡り始めたからたまらなかった。
渡ろうとした老婆の初めの一歩が筆者のタイヤの下敷きに、、、
後はだいたいの人が察しは付くと思うが、とにかくその時は大変だった。
警察やら保険やら八方手を尽くし、落ち度の無い賠償を思い付く限りしたつもりだった。

その老婆は子供たちと離れアパートで一人暮らしをしていたのだが、
夜中にさびしくなると必ず私のとこに電話をしてきて言うのだ。

「あんたのおかげで痛みが取れないんだよ」
私はそのたびにお茶を買い込み、老婆のアパートに上がり込み、一通り話を最低でも2時間は付き合った。
そんな事を1年近く繰り返した時その老婆が言った。

「ごめんね、あなたの誠意はもう十分受け取ったよ。わたしゃさびしかったんだ、
これからもちょくちょく寄っておくれ」

私はうれしかった。
それから一ヶ月くらいに一度はその老婆をたずねていたが、
ある時を境に頻繁に留守にする事が多くなり、自然と行かなくなってしまったが、
思い出すと何か胸が熱くなるおもいである。