2004/03/14 (日) 23:01:17        [mirai]
 「世話になった」
  
 と言った。それ以上の言葉はただの嗚咽にしかならないと思った。
 「泣くな!」
 そう言ったお袋の声が震えていて、俺は振り向けなかった。

 「世話になったね!」

 怒ったように言い捨てて、俺は歩き出した。
 親父とお袋の視線を俺はずっと背中に感じていた。
 辻の果てで耐え切れなくなって振り向いた。
 親父とお袋はしきりに手を振っていた。

 「半年間ありがとう!」