一人暮しのとき、うちにたまたま寄った母親がご飯を炊いておいてくれた。 なんか炊き上がりの臭いがいつもと違う気がした。 母の置いていった漬物と一緒にお茶漬けにして食べたけど、 噛む感触がいつもよりふにゃふにゃとコシがなかった。 でも久々のご飯だったので、たらふく食べきった。 翌日もご飯をたこうと、米びつを開けたら、 容器のふた裏に米がたくさんついている。 おかしいなと思い良く見たら、 それは、米と同じ大きさの白いうじみたいな虫だった。 米を掻きまわしたら、米はほとんどかすかす、 くもの糸見たいのでつながって粒を崩しており、粒になっているのは その虫と米に植え付いたさなぎ。 全体の半分はその虫たちに占められていた。 確かにそれがいつの米かは覚えはなかったし、 母親は強度の近眼で更に老眼も入ってきている人だった。 昨日の満腹を思い起こし涙が止まらなかった。