羽を焼かれためじろが地べたを跳ねていた しらぬ間に左腕を火傷し 髪留めが髪のこげついていた 死体を平気でまたいで歩くようになっていた 時々踏んづけて灼けた皮膚がむけて滑った 地面が熱かった靴底が溶けてへばりついた わたしは腐ってないおばあさんを冷静に選んで 下駄を盗んで履く人間になっていた あの橋を通ったのは八日のことだ 父も見つからない妹の翠ちゃんも見つからない鼻がへんになりそうだった 川にぎっしり浮いた死体に霞姉ちゃんと瓦礫を投げつけた なんどもなんども投げつけた