2004/04/06 (火) 19:11:34 ◆ ▼ ◇ [mirai] 7月12日に東京で開かれる第3回「詩のボクシング」全国大会に出場する福岡県穂波町の高市宗治さん(34)はみずからを、「漂流者」と呼ぶ。
フリーターではなく、フローターというわけだ。
いま、実家にパラサイトしながら、町議会の議事録などのテープ起こしのバイトで稼いでいる。60分テープ1本分で5500円。
文字にするのに最低でも4、5時間はかかる。ときには、1人分10円の名簿入力もこなす。それでも収入は5~8万円。
うち2万円を母親に渡すものの、国民健康保険や年金の支払いを立て替えてもらうことも珍しくはない。
「あんた、いつになったら結婚するとね」
母親の言葉に「今にするけん」と答えるのが精一杯だという。
じつは5年前、結婚を考えたひとがいた。成人式のスーツを箪笥(たんす)から引っ張り出し、20社以上の面接を受けた。
どうしても正社員になりたかった。ならなければ結婚を認めてもらえないと思った。
でも、壁は厚かった。ようやく学習塾に採用されたのは3カ月後だった。
彼女にそう伝えると、「ごめん。好きな人ができた」
以来、バイト暮らしに戻った。