> 2004/04/08 (木) 18:10:56 ◆ ▼ ◇ [mirai]> > それわ面白そうだな(;´Д`)φショートショートを書いてみよう
> わー 星新一がいるぞーヽ(´ー`)ノキリキリ書けー
精神科医の空白氏は日々の仕事に追われていた
「ああ(;´Д`)あまりにも患者が多すぎる
大体俺が診たって治らん奴は治らん
しまいに自殺した患者の遺族がわざわざやってきて
俺に文句つけるなんてのにはもううんざりだ」
ぼやきながら働く空白氏の元へ
ある日一人の妙な営業マンがやってきた
「先生(`ー´)おもしろい機械があるんですよ
先生は見たところ大変お忙しそうだ
少し楽をされた方がよくありませんかね」
ニタニタと薄ら笑いを浮かべながら話す男に
空白氏は胡散臭さは覚えたものの
男の話を続けて聞いてみることにした
「いや(`ー´)先生のお仕事ってのは
詰まるところ心の病の人の愚痴を聞いて
薬を出すことでございましょう?
愚痴なんてのは人が聞く必要もないんですよ(`ー´)本来
…これさえあればね」
男はカバンから昔懐かしい赤電話を取り出した
「先生(`ー´)こりゃ大変いいものです
最新鋭の治療装置でございますから」
どう見てもアンティークな電話機にしか見えない
空白氏は不愉快そうに言い放った
「君(;´Д`)バカにしちゃいかんよ
こりゃただの公衆電話の赤電話だろ
しかもケーブルもつながってない
私の仕事は子供の遊びじゃないんだ
ええい馬鹿馬鹿しい
帰ってくれたまえ」
空白氏の憤りも意に介さず男はこういった
「いや(`ー´)先生のお気持ちはわかります
じゃね先生(`ー´)これがアンティークだとおっしゃるのなら
これを待合室においていただけませんかね
それくらいならようございましょう?所詮ただの飾りだ
お代は後からでけっこうです
お試し期間と言うことで」
まぁただなら(;´Д`)ということで
空白氏は男の持ってきた電話を待合室に置くことにした
そして一週間
「なんだ(´Д`)今日はずいぶんと暇だなぁ
いったいこりゃどうしたんだ」
疑問に思った空白氏が待合室をのぞくと
常連の患者が電話に群がっているではないか
一人の患者が空白氏に満面の笑顔を浮かべながらこういった
「せんせい(´ー`)これはいいものです
とてもいいものです
この電話から聞こえる声を聞くと凄く気分がよくなるんです
だから先生に会わずに帰っちゃうんですよ」
声?
ケーブルもつながってない電話から?
疑問に思った空白氏が受話器を耳に当ててみると何の音もしない
「…ああ(;´Д`)彼らの病気はここまで重くなったのだ
急いで薬を与え安静にしてもらわねば」
空白氏はあわてて薬局に指示を出し
薬を持たせて患者を帰宅させた
しかし翌日
またその翌日
群がる患者はいっこうに減る様子もない
ついに空白氏は根負けし患者の好きにさせることにした
「(´Д`)まぁ暇が欲しかったしな
あの男は不思議な奴だったが」
ところかある日患者が一斉に来なくなった
不思議に思った空白氏がカルテを頼りに
患者たちの家へ電話をすると家族たちが口々に
「今日息を引き取りました
眠るように死んだようでとても安らかな死に顔です」
というではないか
おかしい何かある
絶対におかしい
頭を抱える空白氏の元へ例の男がやってきた
「先生(`ー´)そろそろあの機械の効果が
おわかりになったんじゃないですか?」
「(;´Д`)何のことだ!」
「(`ー´)あの機械は心を病んだ人の脳を徐々に壊す機械なんですよ
先生は健常者でらっしゃったからわからなかったでしょうがね
ま(`ー´)公衆自殺装置とでも言いましょうかね」
空白氏が臍をかんだところですべては手遅れなのだった
参考:2004/04/08(木)17時41分29秒