2001/05/14 (月) 11:26:51 ◆ ▼ ◇ [mirai]が、各自動車警ら隊との実績競争に勝つために、故意にその不正を見逃していたのだ。
警察白書はトリック数字のオンパレード
微罪処分は「犯罪捜査規範」に詳細が記されているとおり、窃盗、詐欺、横領、贓物、賭博の各罪について、
その中の一定の条件を満たすものについては、本来刑事事件として検察庁に送致され処罰を求められるとこ
ろを、東京地方検察庁検事正に報告する「犯罪捜査規範・細目」だけにとどまる処分を言う。これは処罰され
ることのない、一度限りの温情的な制度なのだが、その手続きが簡易化した様式であったために、実績向上
を目指した各署は、極めて安易に微罪処分手続きを行ない続けてきた。
微罪処分による自転車窃盗検挙件数一件でも、白書の統計上は刑法犯検挙(窃盗罪)の一件と表され、自
転車泥棒の事案によく見られる「遺失物横領罪(占脱)」も、統計上は刑法犯検挙件数「詐欺罪」の一件なの
である。犯人検挙によって検挙原票が作成され、それがコンピュータに入力され、一年をとおした各種検挙件
数(地道な捜査にもとづく一般逮捕事件など)と微罪処分件数は、コンピュータの中でミックスされ、そのため
警察白書には、毎年驚くほどの数字が掲載されることになる。
したがって実際警察白書の中身(刑法犯検挙件数)は、現場の地域警察官の街頭警察活動による微罪処分
検挙件数が大部分を占め、警察実績のすべては、微罪処分の検挙件数なくしては語れないほど、それに依
存しているのである。
警察白書は多岐にわたり、あらゆる分野の事件発生件数と検挙件数が、数字によって明らかにされている
が、一瞥しただけでは容易にその内容を理解することはできない。統計数字はコンピュータにより、瞬時に増
加減少の比較はできるのだが、細部の表示―刑法犯検挙件数○件中、うち検察庁送致件数○件、微罪処分
件数○件―とは出てこない。したがって、その実態を知る者にとって、内訳のデータを必要とする者にとって
は、まったく役に立たない代物なのだ。